金沢屋 岩国店
山口県岩国市車町 2018年03月開業 インタビュー時期:2020年1月
金沢屋に加盟する前のご経歴を教えてください。
大学を卒業して、建築土木系の商社に入社しました。
その後、建設系メーカーに転職してサラリーマンをやっていました。
昔から独立を目指していたのでしょうか。
転職してから、少しずつ考えるようになっていました。初めは35歳くらいの時だったと記憶しています。
ただ、その頃には偶然お付き合いのある社長さんがお声がけしてくださり、東京で新しい支店を出すので責任者をやってくれないかとオファーを頂いたのがきっかけで、一時独立することは中断して転職しました。
その後、私や家族の事情で地元に帰ってくることになったんです。
戻ってきた際には、ひとまず親戚の会社にお世話になりましたが、やはり自分自身でやっていきたいという気持ちは変わらずあったので、独立することに至りました。
独立するにあたり、何をするかについてどうお考えでしたか。
簡単に独立するといっても、私自身がバックボーンとして活かせるものがないと感じていました。
色々と独立について調べているときに、金沢屋をよく目にする機会があったんですよね。でも「襖か…これでうまくいくのかな…」なんて思ったりしましたし、フランチャイズビジネス自体を信用していませんでした(笑)
ただある時、九州でフランチャイズフェアがあることを知ったんです。金沢屋も出展しているのを知り、実際に見て話を聞いてみることにしました。
フランチャイズフェアでは、どのような仕事を見て回りましたか。
何件もお話は聞いてみました。住宅及び車のリペアとかも気になっていましたね。
金沢屋の方に足を運んだら、メインの仕事は襖・障子・網戸だけれど、その枠だけに留まらないことを知りました。
他のフランチャイズだと意外と契約の縛りが厳しいんです。
金沢屋の場合は、お客様とのお付き合いのきっかけとして、襖・障子・網戸があって、お客様の望む事なら何でもやっても良いよと。
加盟した今となっては、全国のオーナーさんもお客様のご自宅での困りごとを解決して、売上を多く上げていらっしゃるので、逆に「たったこれだけのロイヤリティでいいの?」と感じています。
本当は、話を聞いてその日に帰るつもりだったのですが、もっと具体的な話を聞いてみたいと思いもう一泊し、さらに具体的な話を伺いました。
技術的な面、他のオーナーさんとの繋がり、そういった自分には足りないものを補完してもらえると感じられて金沢屋にしようと決めました。
あとは、私自身のバックボーンが活かせないと思っていたのですが、子供のころからモノ作りが好きだったんです。大学を卒業して建築土木系の商社に入りましたが、その頃から本当にモノを作るのが好きでしたね。
サラリーマン初期のころゴルフが好きで、ゴルフクラブも自分で作っていたんですよ。今PL法が厳しいので作れませんが、その頃は通販で部材だけ売ってくれる所がいっぱいあったんですよ。ヘッド、シャフト、グリップと選んで、組み立てた後自分で鉛で重さ調整したり。趣味ですが、そんな細かいモノづくりを長い間やっていたら、特技になっていたんです。
そんな理由もありながら、金沢屋と自分自身の相性がいいんではないかなと。
フランチャイズフェアに行ってから加盟した時期を教えてください。
フランチャイズフェアに行ったのは、2017年11月頃だったと思います。
加盟したのは、2017年中に加盟して、2018年3月にオープンしました。
独立にあたって、ご家族の反応はいかがでしたか。
反対はされませんでした。
「良いんじゃない?」程度の感じでした
今もまだ苦労はかけていますが、精神的な面でもすごく助けになっています。
オープン当初の状況はいかがでしたか。
3月6日にオープンして、初日4件・2日目5件・3日目0件のお問い合わせでした。
その後、すぐに次の折込チラシの手配はしましたが、出だしの売上は目も当てられませんでしたね(苦笑)
折込チラシは1~1.5万部出したんですが、おそらく全国的にみても反響は悪いと思います。
でも、思い起こせば本部のスーパーバイザーから開業時期を4月にした方が良いとは言われていたんですよね。
その当時では意味が分からなかったのですが、寒い時期はお客様の反響も正直良くないことが少なからずあるんです。
ある程度、営業年数が経っているオーナーさんだったら、リピーターさんや前もって仕事を先に繰り越していたりとか、上手に仕事の割り振りをされているのですが、まっさらの新人オーナーはゼロからお客様のご依頼を頂かなければなりませんからね。
あとは、岩国市が合併してできているためエリアが広いんです。ですから、その時には折込チラシを出したエリアを分散させたりと、まだ慣れていなかった事も大きいかもしれません。
不調だったオープン後の状況は、いつ頃好転しましたか。
売上的には4月までは良くなかったです。
折込チラシを入れるにしても、地域の方からは突然現れた新参者ですからね。
3~4月は2ケタ台の売上から5月くらいから徐々に売上も3ケタになって伸びていきました。
5月に上がりだして、6月が初年度で2番目に売上が上がった月でしたね。
去年も一昨年もそうなんですけど、6~7月も割と良いですが、不思議なことに10月の売上が良いんですよ。
あと繁忙期になる11~12月は、仕事が落ち着く時期の1~3月に向けての準備期間として先行予約というような形でクーポンをつけて折込チラシを出したりして工夫をしています。(仙台のオーナーさんの真似をさせて頂いています。ありがとうございます。)
その結果、去年と今年もご予約だけで20件以上のご依頼を頂きました。
そういった意味では、単純に季節要因だけではなく、折込チラシを出し続けている効果や、細かな工夫で変化が起こってきましたね。
加盟後に受けた研修について教えてください。
研修自体は6日間受けさせてもらいました。
研修内容で一番良かったと感じたところは、「まずは失敗しなさい」と言われたことですね。
基礎などはもちろんわかりやすい内容でしたが、何よりも失敗を身をもって体で覚えていく感じが一番良いんでしょうね。
当然ながら日々「帰ってホテルで予習復習しておいてください」と言われ部屋で予習復習をしていました。本当は毎日飲みに出たかったんですけど(笑)
研修で教えてもらった内容は、今となっても役に立っています。
集客面では何か工夫をしていますか。
折込チラシがメインなのですが、チラシが出るときに帯になるかならないかで全く反響が変わりますね。
当然、お願いするようにはしていますが、大手さんが出してくるときには帯にはならなかったりするんです。
ただ、この点も本部研修の際に教えていただいていて、曜日によっての傾向があるので、地域の特性を見極めることを教わりました。
最初のころは分散して出したりしてはいたのですが、今は一度に3万7千枚配布しています。
反響が悪い時は2回入れたりすることもありますね。
あとは、毎日のように金沢屋の服を着て歩いています。駅前にちょっと出るときも宣伝のつもりで。
声を掛けられたことはあまりありませんが、お付き合いのあったお客様だったら「あぁ、米屋君歩いてるわ」とか(笑)
最近で印象深いお客様はいらっしゃいますか。
すべてのお客様が印象深いですが、しいて言えば最近頂いたお仕事の中で嬉しいことを言われました。
折込チラシの「この写真のアンタが良くて電話した」というお客様から、最初はクロス張りのご依頼を頂いて、そこから全面外壁塗装・室内の塗装・さらには襖の張替もやらせていただいてと、正直インパクトが大きかったです。
最初からリフォームのお仕事をご依頼くださるケースは珍しいですからね。
張り替えのお仕事で何かエピソードはありませんか。
今年1件のお客様から襖新調のお仕事を26枚頂きました。
私自身は、現状を拝見して張替でも問題ないかと考えたんですが、襖自体というよりも襖が動かなかったり外れたりとなってしまっていたので、お客様のご希望もあり襖の新調をすることになりました。
今回の場合、和襖が中心でした。それに加えて混合で戸襖。
あとは、特殊な襖も中にはあったりと、色々な種類の襖の新調をやらせていただいていますね。
ご自宅での開業ではありませんが、なぜ最初から作業場(お店)を確保したのでしょうか。
自宅だと狭すぎて、作業できるスペースがなかったんです(笑)
ここの場所を選んだのは、目の前が米軍基地で場所が分かりやすいことと、自宅から近いというのが大きいですね。
お客様のところに伺うにも、お店の前が片側2車線の大きな市道で渋滞もなく、国道及び県道へのアクセスも良く、交通の便が良いというのを第一に考えました。
あとは、お客様から「どこでやっているの?」と聞かれた際にはベース(米軍基地)の正門から100~200メートルのところですよとお伝えすれば「あー、あったあった!」と言ってくださるんですよね。
まとめてお仕事を頂いたときなどは、障子やら襖やら何十枚と並べていますから、今後はさらにスペースを広げたいとは思っています。
張替だけではなく、リフォームも順調そうですね。
順調かと言われるとまだまだじゃないでしょうか。
比較的大きな規模のご依頼だと、先ほど少しお話しした塗装のお客様。
外壁塗装、内壁クロスという感じでしたが、まだまだ当店の場合はプチリフォームです。
「ドアノブ直して」「玄関の網戸付けて」とか、細かなお困りごとを解決することが多いですね。
リフォームでの課題で業者さん探しが難しいと聞くことが多いです。
確かにそうですね。
エクステリア系だと、既にお付き合いさせていただいている会社さんがあるので安心なのですが、一番苦労していたのが大工さんだったんです。
ただ、私がたまたま商工会議所の会員になっていて、会員の方から大工さんとクロス職人さんの紹介をお願いしたり。
偶然、商工会議所に大工さんの奥様がいらっしゃって、大工さんでもあり一級建築士の会社さんでしたので建築関係だったら一通り問題なくお願いすることが出来るようになりました。
私自身もクロス張り替えをやることは出来るのですが、そこまでやってしまっていると他の張替の仕事まで手が回らなくなってしまいますから、専門の業者さんにお願いしたりというような感じでやっています。
本業である張替に関して、技術的な面で工夫をしていることを教えてください。
まず襖でも障子でも、基本が大事だと考えています。
基本があってこそ自分自身の効率を考えたり、失敗しにくい、いかにキレイに納品できるようにしていくかの過程でオリジナリティが出てくるものだと思います。
「何故ここにしわが出来るのか?」というのを、常に探求し続けるようなことですかね。
やっぱり最初のうちは襖の角に変なしわが出たり、「これどうやったら直るんだろう?」とか細かなことですね。
戸襖の場合は少し張り方が違うので、やっぱり変なしわが出やすかったんですよ。
それで色んな事を考えていって、試行錯誤しながら今に至っています。
金沢屋に加盟して良かったこと、生活や収入面での変化を教えてください。
元々独立したいという目標があった中で、金沢屋に加盟して良かったと感じています。
全国のオーナーさんがライバルではなく仲間でいるというのが心強いですね。
1人で独立していたらこんな環境はなく、みんなライバルですから。
生活の面では、サラリーマンの時と比べると、まだちょっと少ないですね。
個人事業主の決算は12月で、今年から報酬を上げるようにしました。
これからも毎年少しずつ上げていこうとは思っています。
今後の目標を教えてください。
まず、今は私一人でやっていますが、一人では当然限界がありますから、スタッフを一人以上増やすことが短期的な目標です。
これについては、今年中にやっていこうと思っています。
その次のステップとして、今は個人事業主で金沢屋をやっていますが、法人としてやっていこうと考えています。
金沢屋の仕事があり、リフォームを今以上に本格的に取り組めるようにしていきたいですね。
リフォームは今やっているようなリフォームに加えて、この地域で空き家がいっぱいあるんですね。
そういった古民家や空き家を活用してリノベーションするようなビジネスを2~3年したらやっていきたいです。
他人様の物件を売買するとなると宅建が必要だったりしてきますが、今お付き合いのある大工さんなり各業者さんと一緒になって、お客様の要望にあった建物づくりをしていって提供していきたいとは考えています。