
金沢屋 白石・厚別店
北海道札幌市白石区川北 2018年11月開業 インタビュー時期:2019年5月
金沢屋を始める以前は何をしていたんですか?
通信業者に15年勤めていて、電話回線や光通信回線の工事をしていました。その会社を辞めたのは2019年2月で、金沢屋を始めたのは、その年の5月になります。
どうして金沢屋を選んだんでしょうか。
他にも色々調べていたんですけど、金沢屋の仕事が一番面白そうだったからですね。他は3~4社ぐらいは調べたかな。ハウスクリーニング系とか、車のリペアとか。僕の場合は、ある程度、自分で作業できるような業種に絞ってましたね。
加盟したのは今年ですけど、初めて説明会に行ったのは2年前で、その時の印象もすごく良かったですよ。前職とは異業種なので、不安もあったんですけど、本部担当者の人柄が良かったのかな?(笑) 「自分にもできるかも……」という気持ちになったんですよね。
最終的には、「長くやれそうなのは金沢屋かな」と思って。ビジネスの入口は、襖・障子・網戸に限られてますけど、続けていけば、それ以外の技術も身に付く。そしたら、それも一緒に商売として広げていけそうだなって。あと、ハウスクリーニング系の仕事は、飽和状態に近いですけど、金沢屋のビジネスの方がニッチで競合が少なそうでしたから。
建設業界にいる知人からも、「リフォームをする時になったら、バックアップするよ」と言ってもらったので、「それならやってみようかな」という気持ちでした。
開業前の研修はいかがでしたか?
実際に作業してみると、奥が深いなと。最初はちょっと難しいなと思いましたけど、他のオーナーさんに聞いたり、色々考えたり、作業の数を重ねていけば、それなりに上手になります。練習していけば、細かい所もビシッときれいに貼れるようになるんだな……って、ここ最近ようやく感じましたね(笑)
開業後最初の3日間、SV(スーパーバイザー)が一緒についていてくれるのも、かなり勉強になりますね。
お客様宅に伺うと、注文があった作業とは関係のないことを質問されるケースがよくあるんですよ。例えば、手すりとか電気とか。家の中で気になっていること。もしも1人で行っていたら、そういう質問に答えられなかったんでしょうけど、SVの方に来てもらっている間は助けてもらえますから。
SVの方がいる間に商品知識もいろいろ聞きましたし、「お客さんからこう言われたら、こう返したら良いんだな」って、営業の面でも勉強させてもらいました。
開業当初の状況はいかがでしたか?
最初はチラシを入れて連絡が来るのかどうか、半信半疑だったんですけど、開業当日、けっこう電話がかかってきたんですよね。3万枚撒いて、その時点で14~15件。あと2~3日経ったら、また何件かポロポロと電話が来て……という感じで。本部から聞いていた「大体0.1%くらい」という反響率に近かったですね。
想定を超えてちょっと大変でしたけど(笑)
それを見て、やっぱりこの仕事は需要があるんだなと感じました。北海道って店舗数が少ないみたいで、金沢屋の歴も浅い地域なんですけど、それでも結構お仕事を頂いたので、手ごたえはありました。
北海道ならではの地域的な違いなどはありますか?
北海道は、家の造りがまず違うんですよ。北海道で和室が続いているお部屋はなかなか無いんですよね。戸建でも和室は1つか2つ。なので、他の地域と比べると、襖や障子のそもそもの枚数が少ないんじゃないかと思ってます。
他のオーナーさんから、1軒で何十枚も取り替えるケースもあるという話を聞いていたんですけど、実際にお客さんの家に入ってみたら、和室1部屋、襖が2枚しかないことが多いんですよ。
ただ、見方を変えれば、襖とか障子とかに絞らないで良いということでもありますよね。フローリング工事などの知識を増やしておけば、新しい仕事に繋げていける気はしています。
あと、北海道だと売れる商品も特徴的で、「ロール網戸」とか「スライド網戸」っていう商品がものすごく多いんですよ。他の店舗さんだと、もっとたくさん売っているという話も聞きますしね。その商品を新調したいっていう話が多くて、この1週間でも新調ばかり依頼が来ています。
技術的な面で工夫されていることはありますか?
襖なんかは、紙質によって、水をつけ過ぎると破れやすくなるので、すごく気を遣いますね。ヨレも気にしますし。
最初の頃、横に大きくて広い「幅広」という網戸を張り替えた時、どうしても歪んでしまうことがあったんです。そのころは「ちょっと緩く張るのがコツ」っていうことを、知らなかったんですよね。なので、網戸については、強く張り過ぎないようにすることを気を付けたりしています。
開業されてから4カ月ということですが、集客で工夫していることなどはありますか?
集客の中心は折込チラシですけど、たまにポスティングに行っています。今後はネットでの集客もやりたくて、そっちも準備しているところです。ネットだと、チラシを見ている世代よりも若い層に届くかなと思って。
それに、今はみんなスマホを持っていますから、金沢屋を知らない人は、最初に下調べすると思うんですよね。「金沢屋ってどんな会社なんだろう?」って。その時、ネット上に情報が無かったら信用に欠けるかなというのもあって。ネット集客に関しては、サービスを紹介するポータルサイトに登録して、軽く始めたりしているんですけど、まだうまく回ってはいないかな。
この辺りに競合する会社はありますか?
一応あります。でも、あんまり宣伝していないみたいです。お客さんの中には、10年20年張り替えをしていない方もいらっしゃるんですけど、「どこに電話して良いか分からなかった」って言われることがよくあるんですよね。ということは、知らないってことですよね。宣伝してなければ、たしかに分からないと思います(笑)
現状での課題はありますか?
やっぱり、商品知識を増やすことです。ちゃんと説明できるようになること。
僕は、畳もメインに近い商材として扱っているので、襖・障子・網戸と畳の知識を付けたいんですよね。最近、ようやく気付いたんですけど、知識があれば落ち着いて喋れるんですよね(笑) あたふたしてると、その不安がお客さんに伝わってしまう。「値段が高いだけで良い物じゃないんだな」とか「高い物を買わせようとしているのかな」と捉えられてしまうと思うんです。
しっかりとした知識を持っていれば、お客さんにとって良い商品を、自信を持って説明できますよね。
例えば障子だと、プラスチックのタイプのものは、北海道の気候に適していないんです。プラスチックは強度があるし、他の地域だと丈夫で長持ちしますけど、湿気を吸わない。だから、北海道だとカビが生えやすくなってしまうんです。
畳だったら、中国産のい草と、日本産のい草の違いを説明することもあります。中国産のい草を使った商品は安いですけど、化学肥料を使って成長を早めたものなので、い草に含まれる水分量が少なくて、ささくれ立ちやすくなるんです。国産だと、値段は高いですけど、有機栽培でじっくり育てた丈夫な、い草を使うので、長く使える。毎日使うものですし、ささくれた畳だとストレスになりますよね。
そんな風に、それぞれのお客様にとって、どの商品が一番良いかを考えながら、丁寧に説明していくことで、信頼に繋がるんだと考えています。それが、売上にも繋がりますからね。
ご家族のサポートはありますか?
僕の場合は、まったく無いですね。無くてもいいかな。とりあえず、一度全部自分でやってみたいんですよ。簡単な業務はやってもらえたらありがたいのかも知れませんけど、それもまだいいかなって思ってます。
もちろん、1人で見積もりに行って、帰ってきて作業するのは大変ですよ。だから1カ月に作業できる数は限られちゃうので、将来的には何かを手伝ってくれたら助かるのかもしれませんけどね。
今後の目標を聞かせてください。
とりあえず、お客様から2回、3回と声をかけてもらえるように、仕事の質を上げていきたいです。もちろん、金沢屋のメイン商材もそうですけど、仕事の幅も広げながら。
50代くらいには、もう1人くらい増やして……いや、今はまだ増やしたくない気持ちですけど(笑) 僕はまあ、1人の方が好きなんですよね。でも、ずっと走り続けるのは無理かもしれないので、その辺も含めて視野を広げられたらいいですね。
最終的には、細く長くでも良いので楽しみながら仕事をしていきたいなという気はします。 金沢屋の仕事だったら、多分それができるんじゃないかな。
余裕があれば、旅行ももちろんしたいんですけど、健康のためにも仕事が続けられたら良いかな。お客様を見ていても、やっぱり家で何かしら活動している方が、きっと長生きできるだろうし、人生も楽しそうですし。
この仕事って、いろんな人と話せるし、繋がれるので、僕はそれが面白いなと感じていて……やっていて楽しいんですよね。今から始める人も、人と話をするのが好きだったり、作業したりするのも嫌いじゃないのであれば、面白い仕事だと感じると思いますよ。