金沢屋 富田林店
大阪府堺市美原区さつき野西 2018年02月開業 インタビュー時期:2019年5月
金沢屋に入ったきっかけを教えてください。
以前はカー用品店で20年以上勤務していて、カーナビやタイヤホイールを売ったり、取り付けたり、そんな仕事をしていたんですよね。で、辞める事になった際に、次の転職先を考えたんですけど、その時もう50歳だったので、次に就職したところで10年しないうちに定年だなというのが見えていたので、とりあえず定年がない仕事を探していたんです。
そしたら、たまたまテレビで金沢屋の特集を見て、「これは面白そうだな」と思ったんです。フランチャイズは他にもいっぱいあるんですけど、自分よりも年上の方を相手にした仕事をしたいと、ぼんやり思っていましたし、あと、車はもういいかな……と思ってたのもあります(笑) そんなにたくさん比較したわけじゃないですけど、なんか「これかも」と直感的に思いました。
金沢屋のどういうところが面白そうだと思ったのでしょうか。
自分の時間で仕事ができるという所が良いなと。それまでずっと会社勤めばっかりで、そんなの考えた事が無かったので(笑)「あ、そうか。独立とかフランチャイズだったらそういう事が出来るんだ」と思って。
もちろん、テレビに出ているのはトップオーナーさん達なので、そこまで行くにはそれなりの行動が必要だと思うんですけど。でも、もし、そんな風になれたら時間的な余裕が持てるんだなって思えたんです。
極端な話ですが、もしも自分が休みたいと思えば1週間くらいポンと休んでも特にペナルティがあるわけでもないですよね? もちろん休んだ分は自分に返ってきますけど、そういった自由さに魅力を感じました。
説明会に行くころには、もう良いところしか見えない状態だったんで、聞けば聞くほど良いところが増していくような感じでしたね(笑) マイナス面もちゃんと聞いたと思うんですけど、「絶対面白いんじゃないか」と思っちゃって。ちょっと前のめりになってたかもしれませんけど。
金沢屋を始めると言った時の、ご家族の反応はどうでしたか?
その金沢屋が紹介されているテレビを、たまたま家族と一緒に見てたんですよ。「これ面白いんじゃない?」って言ったときも、その後もう一度テレビを見たり、説明会に一緒に行った時も、反対されませんでしたね。
いざ金沢屋を始めてからは、たまに文句言われることもありますけど……基本的には自宅で仕事をしていて、家事をする時間が増えたので、それでちょっと目をつぶってもらおうかなと思っています(笑) 会社員だったころは、朝出勤して終電で帰るような生活だったので、家のことは何一つしてなかったんですけど、今は掃除もするし、ご飯の用意もしますから。
開業したのはいつごろですか? 開業後の反響はいかがでしたか?
10月に説明会に行って、2018年の2月に開業しました。それが最短だって聞いたんで、別に待つ理由もないし、待っている間やることもないので、ちょっとでも早くオープンして慣れていければ良いなと思って、そのまま2月にオープンすることにしました。
ただ、1~2月って仕事が落ち着く時期なんですよね。でも、それも最初から聞いていたので、初めての折込チラシの反響は「まあ少なくてもOK」くらいに思ってました。正直、最初からたくさん仕事がきちゃうと対応できないだろうと想定してましたし。むしろ、仕事に余裕がある時期から開業して、徐々に慣れていこうという思いもあったんです。
なので、事前の練習はだいぶしましたね。自宅と、隣にある実家、あとこの周辺のご近所には声をかけて安く仕事を受けさせてもらったり……とにかく数はこなしました。実際、そうやってるうちに4月になって、その頃には最初より慣れてきていたので良かったです。
4月ごろからは忙しくなると聞いていますが、実際はどうでしたか?
そうですね、去年も5~6月は網戸ばっかりやっていたんですけど、網戸がとんでもない量の依頼がきて「あ、開業したてでもこんなに来るんだな」ってびっくりしました。一日に何件もこなさないといけなかったので、スケジュールの立て方とかもその時に感覚がつかめたかな?
9~10月は襖が多くて、11~12月はほとんど障子。こうやって1年間働いてみて「あ、こんな感じで来るんだ」という流れがだいたい分かりました。まぁ去年がたまたまそうだっただけで、今年はどうなるかはわからないですけどね(笑)
実際に開業してみて、最初のイメージとのギャップはありましたか?
思っていた通り面白いですよ。仕事も、お客様と会話をするのも面白いし。
ただ、今まで雇われていたので気がつかなかったんですけど、経営者になってみたら事務処理とかお金の流れとか、今まで全く気にしたことが無かった仕事が多くてびっくりしました。特に確定申告……あとは、現金の流れをちゃんと把握することも大事だっていう事が分かりましたね。
正直今までは、張り替えの仕事があるっていう事自体、気に留めたことがなかったんですよね。自分の家の障子すら、一度も張り替えたことがなかったですから。だけど、この仕事の可能性を考えたとき、もし自分が張り替えるとすると「どこに頼んだらいいの?」って思ったので、結構需要があるんじゃないかと思ったんですよね。で、実際に仕事をしてみて結構依頼がきますから、それはいい意味で驚いていますね。
担当しているエリアに競合などはいますか?
大手のチェーン店みたいなところはあるみたいですね。あともう1件かな? 先日お客様からも「同じ日に張り替えのチラシが3枚も入ってたよ~」って教えてもらいました。重ならないように、ちょっと曜日変えようかなとかいろいろ思いましたね。
競合他社と相見積になることも多いんですけど、ほとんどのお客様が私に最初に声をかけてくれるので、相見積もりされていることに、全然気が付かないこともありますね。でも実際は、見積もりだけ出して終わりっていうパターンはあんまりなくて、見積もりを出した時点で決まっている案件がほとんどです。見積もりを出して成約までいかなかったのは1年で3件ぐらいかな。
問い合わせからの成約率が高いんですね。チラシの反響率はいかがですか?
反響率は本部が言っていた0.1%とほぼ同じくらいですね。おおよそ0.08~0.12%の間ぐらいです。
チラシの撒き方は少し工夫しているんですよね。ウチの場合は、本部が推奨しているような3万部を撒こうと思ったら、エリアの仕組み上、無駄になってしまっていることが多そうだなと思っていて……だから、最近は枚数を少し減らして2万5000枚にしたり、配布する地域を分けてみたり。でも大体は2~3万枚撒きますね。
あとは、仕事が必要なときはどんどん撒きますし、逆に忙しくなりそうな時は枚数を減らしてます。そうやって調整はしてますけど、撒いた分についての反響率はそんなに上下しないかな。上下がはっきり分かるのは、5~6月の網戸と12月の障子ぐらいで、それはとんでもない数になりますね。
現在は2年目とのことですが、リピーターさんはいらっしゃいますか?
リピーターさんはだいぶ増えましたね。今月は問い合わせが今のところ33件で、そのうちリピーターさんは10件。だいたい月に5~10件くらいあります。
去年の年末に、障子の依頼をしてくださったお客様が、5月~6月になって網戸の依頼をくださったりすることが多いですね。
オーナーさんによってはリフォームにも手を広げている方もいますが、富田林店ではどうでしょうか。
現状は、畳のほかにフェンスの修理とか、門扉の立て付けとか、ちょっとしたことぐらいでしょうか。
リフォームをすれば大きな売上になるので、力を入れていければと思うんですけど、今はまだ仕事の全体像がイメージできていないというか……。張り替えなら、どうやって進めていけば良いのかというのが分かるんですけど、リフォームの場合はちょっとそれがまだなんですよね。飛散防止フィルムを貼るだけの仕事でも、仕入れとか種類とか迷ってしまうので……まだ知識が足りてないんですよね。
張り替えの仕事をしてるからこそ、リフォームの仕事が受けられる地盤は出来ているので、それをやらない手はないんですけど、やるなら勉強なんかも含めて、本腰を入れてやらないといけないとは思っているところです。
張り替えの際、技術面で気を付けていることなどはありますか?
自分が納得できる品質のものを、きちんと提供することですかね。私の場合、納得できないと寝られなくなっちゃうんですよ。そんなに多くはないですけど、やり直す時もありますね。周囲の人が「良いんじゃない?」って言っても、一度自分で「あれ?」って思っちゃうとやっぱり駄目ですね。そういうのは、やり直さないと本当に寝られなくて(笑)
そういう時のために、納期は余裕を見て長めに設定させてもらってるんですよ。網戸なんかは朝預かって夕方持っていけるんですけど、襖はちょっと時間が必要かな。さすがに、寒い時期はそんなに長く預からないですけどね。
1~2日で問題なく仕上がることも多いので、その時はお客様に連絡して「出来ましたけど、持っていきますか?」って聞くんですけど、引き取り時にもう納品日は決めてあるのでそれより早く仕上がっても、お客様の方から「いや、金曜で大丈夫よ」と言ってくださる方も多いです。
開業直後の2月は練習されていたとのことですが、今年の1,2月などの依頼が減る時期はどういった対策をされていましたか?
私の場合は、2月はチラシを打ちませんでした。ただ件数は少なくても大きな案件が入ってきたので、すごく助かりましたね。
でも逆に、そういった時期だからこそ、お客様とゆっくりお話しできるというメリットもあります。忙しい時期だと、時間に追われてしまいますけど、それがないので細かい要望をヒアリングすることができるんですよね。そうすると「あ、ここも、ここもお願いしようかな」という感じで広がっていくんですよね。
今までで、印象深いお客様はいらっしゃいますか?
一度、接客で失敗してしまったお客様がいて……時間に余裕がなかったのもあって、いろいろと急ぎ足で説明してしまったことがあったんです。引手はどうするかっていう細かい部分の説明もせずに「このまま使いますね」と勝手に判断してしまって。ただ、その方は引手も新しくしたいと思っていたようで、そこに不信感を持たれちゃったのか、キャンセルになったんです。
そのキャンセルはこちらもだいぶ堪えまして……。当たり前なんですけど、例えば「引手はどうしますか? 新しくしますか、そのまま使いますか?」って、一つ一つ要望を確認することが大事なんですよね。いくらこちらか良いと思った方向でも、勝手にやらないようにしようと。それから、それはすごく意識するようになりました。
実はその後、すごく長いお詫びの手紙を出したんですよ。そしたら半年後ぐらいに「ごめん、やっぱりやって!」ってお客様から連絡を頂いたんです。「あの手紙をもらってずっと気になってたんだよ」って、他の工務店で替えずにいてくれたんです。それが一番印象的でしたね。
今後の目標をお聞かせください。
開業して1年なので、まだまだ地域の皆さんに知ってもらいたいですし、これからという感じですけど、最終的にはあのテレビで見たオーナーさんのようになりたいですよ。年に2回、長い休みを取って海外旅行に行ってましたから……。もともと「アレがやりたいね」と言って始まったので(笑)
ここ数年の目標は、もう少し余裕を持って仕事をすることかな。忙しいのは全然嫌ではないんですよ。ただ、周囲から指摘されることが増えたので。もしかしたら、忙しい自分に酔ってるだけかもしれないんですけどね(笑) そもそも、社内の人間関係が無いだけで、だいぶ楽になっている部分があるので、全然良いんですけど。
最終的には、トップオーナーさんが生み出したやり方を見習って、大きくしていきたいですよね。せっかくいい見本があるので、このやり方を真似たら何とかなるだろうとは思ってるんです。ただ、今は余裕がなくて張り替えをやるだけで精一杯……本来は、拡大を目指してちゃんと勉強するなり進んで行かないといけないんでしょうけど。