金沢屋 守山店
愛知県名古屋市守山区瀬古 2017年04月開業 インタビュー時期:2019年5月
開業されたのはいつ頃でしょうか?
今から2年前くらいです。2017年4月に開業したので、現在で2年が経過したことになりますね。2017年の1月末頃に説明会に行って、その年の3月半ばには研修をして、その1ヶ月後の4月11日に開業しました。
東京からの引越しもあったので、かなり急ピッチで大変でしたね(笑)
金沢屋を始めようと思ったきっかけをお聞かせください。
独立しようと思った理由は主に2つあって、一つ目は、私が長男だということもあり名古屋に戻ってこなくてはいけなかったこと。二つ目は、今までは工事関係の仕事だったのですが、どちらかというと、もっと手に職をつけながら仕事をしていきたいと思っていたことでしょうか。2年も前のことなので、うろ覚えなのですが(笑)
以前は、法人向けにLAN工事などをするネットワーク関係の工事の仕事をしていて。現場代理人のような形ですが、設計や工事の実務も行う会社だったので、まったく違う仕事になりましたね。
ネットワーク工事の仕事も、手に職があるような仕事だと思うのですが、なぜ金沢屋にしようと思ったのでしょうか。
今までは法人を相手に仕事していましたが、つぎは個人のお客様を相手にして、いろいろ回ってみたいと考えていたからですね。もともと、人と話したり、お客さんの所に伺っていろいろと話を聞いてくることが好きな方だったので、そういう仕事をしてみたいなと思っていました。
以前も、設計上の話などでお客様と直接やり取りすることはあったのですが、かなり移動距離のある仕事だったんですよね。前職と同じような仕事で独立を考えることもできたのですが、そうなると、県をまたいで仕事に行くことになってしまいます。 もし、この守山で独立したとしたら、おそらく東海3県とか静岡、北陸のあたりまで足を延ばすことになるんですよ。以前、東京で仕事をしていたときも、関東・北関東・上信越まで範囲に入っていたぐらいなので。
家庭の事情もありましたが、なるべく近場というか、地域密着で仕事をしていきたいという気持ちは持っていたので、それが実現できる仕事だから良かったんでしょうね。
多くのフランチャイズがある中で、金沢屋を選んだ理由を教えてください。
実は、金沢屋の説明会には2度行っているんですよ。4年前に行った1度目の説明会のときは、独立の決断ができていなかったこともあって、いったん保留にしました。1度目の説明会のときにも、すでに良いなとは思っていたんですけどね。その1年半後ぐらいに、もう一度説明会に参加して、「やっぱり良いな」と気持ちを再確認することができたので、開業することにしました。
金沢屋を選んだ理由は、競合になる他のフランチャイズがなかったことです。襖・障子・網戸の張り替えをメインの事業にしているフランチャイズって、ないんですよね。フランチャイズといえば、コンビニなんかが分かりやすいですが、それだと競合が多い。金沢屋には競合になる会社が少なかったので、チャンスがあるのではないかと思ったのが一番大きな理由です。その他のフランチャイズの説明会などに、参加したことは無いですね。
説明会はどういう印象でしたか?
1回目の説明会は、比較的多くの方が参加していて、3人のグループが4つほどあったので……計12人くらいですかね。2回目の説明会を受けた時は、私だけだったんですけど、その時はもうやることを決めて行ったので、印象というものは特に……気分的には「もうやるぞ!」という風になっていましたので(笑)
「チラシを配ると反響率がどれくらいで、売り上げがこんな感じになって……」という説明をされると、「実際には、こんなにうまくいくものなのかな?」とは、思っていましたよモデル店舗の売上を具体的に聞いても、少し半信半疑といいますか。
あとは、法人で開業するのと個人で開業するのでは、売上のモデルケースにかなりの差があって「襖・障子・網戸の張り替えという世界で、こんなに稼げるものなのか?」とは感じましたが……
でも結局、自分の肌感覚とそんなにズレているものではなかったですし、実際に200店舗弱の加盟店があったので、それなりに数字や実績にも信憑性はあるのかなと思いました。
実際に現場に出たときはどうでしたか?
研修では基礎的な「貼る練習」から応用までをやりましたが、現場では様々なケースがありますよね。現場に行けば、引き取りから納品までしなければなりませんし、外す(引き取り)・剥がす・貼る(張り替え)・納品の一連の流れは経験していないので、どの程度の時間が掛かるかなども分かりませんでしたから、そのあたりは結構苦労しました。
お客様とのコミュニケーションは苦手ではなかったので苦労しませんでしたが、最初の2~3ヶ月はとにかく一生懸命やりきったという感じです。その都度、初めてのケースに出会うこともありますし。
あとは、張り替え以外の仕事の相談をされることが多いのが意外でした。本当にいろいろ話をしてくれましたよ。たとえばクロスの張り替えや、ちょっとした自宅の不具合を「ここを直せない?」と聞かれたり、網戸の戸車を交換して欲しいとか……いろいろあります。
事業を始めたころは、襖・障子・網戸の張り替えの専門家として伺っているわけですから、クロスの張り替えなどに対応できる業者さんとのお付き合いもなくて、そんな相談をされたときには、イチから業者さんを探すことになります。でも、どこで業者さんを探したら良いかもわからなくて……他の仕事については、そこから始まりました(笑)
業者さん探しや、その他の仕事については、本部のフォローなどがあるのでしょうか。
自分自身で調べることがほとんどですね。本部に聞くのも悪くはないと思うのですが、なによりも、地元の業者さんに、実際に話を伺わないと分からないことが多いので。
例えば、よく言われるのは、網戸を修理していると、すぐそばに窓ガラスがありますよね。そのガラスが割れてしまっているからと、お客様からガラス交換を要望されるといったようなこと。「網戸はいいからガラスを直して欲しい」というのもあります(笑) ここの動きが悪いから直して欲しい、とかですね。
お客様の立場から考えれば、網戸が直せるんだから、一緒についているガラスも直せるでしょう? と思いますよね。最初の1~2ヶ月で、そういうお客様が多くいらっしゃったので、地道に業者さんを探しましたけど、思ったより時間がかかりましたね。
あとは、私の同級生で塗装屋さんがいるので、そこから紹介してもらったりしています。
折り込みチラシの反響はいかがでしょうか。
開業して1年目の反響は、特に良かったです。驚きましたね。4月だけではなく、5~6月も反響がすごく良かったです。
5~6月は網戸の需要が多い時期で、少し時間が経つと、襖の張り替えのご依頼が増えてきます。それ以降冬に近づくにつれて、襖と障子の両方が増えてきますね。
いまは大体2週間に1回チラシを撒いていて、1万5000枚から1万7500枚を定期的に配布しています。年末には張り替え需要が高まりますので、直前の11~12月頃には、もっと短期スパンで量も多く撒くことにしています。その分、1~2月頃はやや控えめにして。 基本的には、1ヶ月に1~2回は地域の方に見ていただけるよう、万遍なく配布することを意識しています。
1年目の反響が特に良かったとのことですが、2年目は違ったのでしょうか。
1年目と比べると、新しいお客様からのお問い合わせは減りましたね。開業したてのころは、チラシを見てすぐに電話してくれるお客様が多かったんです。やはり、新鮮に感じられたのかもしれませんね。2年目になるとそういうお客様は少し減りましたが、その代わりにリピーターのお客様が増えました。
リピーターのお客様が増えているのは、こちらで引き取りから納品まで行っているからじゃないかと思っています。お客様から聞くところによると、ホームセンターに修理を依頼すると、「持ち込んでください」と言われるようなんですよね。引き取りに来させると、プラスで出張費を請求されたり。でも実際には、高齢の方だと自分で襖を取り外して、車に積んで持ち込むことって難しいじゃないですか?
ほかにも、取り外しはお客様自身がやって、軒下(玄関)で渡す……という業者もいるようで。なので、ウチが引き取りに行くと説明すると「お宅はそこまでやってくれるのね」と言われることもあります。
私達は引き取りから設置まで全てやりますし、設置したときに動きが悪ければ、ちょっと滑りやすくするとか、微調整まで対応していますから。軒下渡しの業者や、持ち込みをしなければいけないホームセンターなどと比較すると、金沢屋にはプラスアルファなところがあるのでしょうね。出張費などを含めると、ホームセンターの方が値段が高くなってしまいますし。
なので、仕事をしていると、お客様から「丁寧にやっていただいてありがとう」と最近はよく言われるようになりました。そこから、クチコミが広がって、新しいお客様から問い合わせが来たりしますし、リピートにも繋がっている気がしています。
反響が落ちていることに対して何か対策をされていますか?
反響は確かに下がっていて、新規のお客様は少し減っていますが、対策という対策はしていません。チラシを撒く量もタイミングも、去年とほとんど変えていませんし。
というのも、不思議なことに、リピーターさんからの依頼も含めて、1年目のお客様より2年目のお客様の方が、良い材質の紙を選ぶ方が増えてきているんですよね。もしかすると、1年目よりも取り扱い商品の選択肢が増えているからかもしれません。
それ以外では、リフォームを希望されるお客様が増えていて、襖・障子・網戸以外の仕事も増えてきていますから。反響が落ちて困るという感じはしません。
リフォームの依頼が増えているのはなぜでしょうか。
1年目に撒いていたチラシには、リフォームなどについて謳っていませんでしたが、実際に自宅に伺うと、なにかしら困りごとを抱えているお宅が多かったので、それで偶発的にお仕事は頂くことはよくありました。
2年目になると、ちょっとした補修なども出来ることをチラシで謳うようにしたので、襖・障子・網戸以外の仕事も、最初からご相談いただくことが増えてきました。
1年目は業者さんとのお付き合いもなかったので業者さんを探すところから始めていましたが、時間が経つとともに人脈も増えてきましたし、見積もりや作業自体もスムーズにいくようになってきました。以前よりも速やかにお客様にサービスを提供できるようになったので、ご満足頂けるようになったんだと思います。
リフォームはご自身でやることはあるのでしょうか?
ドアノブの交換など、ちょっとしたことは自分で対応します。クロスの張り替えなどは、専門の業者さんにお願いさせてもらいますね。立て付けが悪いとか、そういうものは自分で直す時もありますし、自分でやってダメなら専門の業者にお願いするというケースもあります。
ちょうど今日も家一軒の塗装が入っているところで、それは先ほど話した同級生だった塗装屋にお願いしていますよ。
でも、リフォームが増えてきたとはいえ、本業はもちろん、襖・障子・網戸の張り替えです。なので、おまけというわけではないですが、追加でリフォームの仕事があるという意識でいます。慣れてきたので、リフォームの仕事もだんだん増えてきている……といったところでしょうか。
今までで思い出深いお仕事はありますか?
研修の頃、なかなか障子を上手く貼ることが出来なかったので、障子をメインに練習を重ねていまして。それで、いざ初めて障子のお仕事を頂いたとき、小さい障子だったんですけれども、それを「ビシッ!」と貼れたんですよね。練習の成果が出たような気分といいますか(笑) ちょうどSV(スーパーバイザー)の方がフォローに来ている時期で、その方にもほめられました。
お仕事の割合として、襖・障子・網戸の中でどれが一番多いですか?
どれが一番多いでしょうね……。 いまの時期、4、5月ごろだと網戸が多くなりますし。時期によって異なるくらいで、全体的には万遍なくご依頼いただいているように感じます。
冬になると網戸の依頼が少なくなって、冬になると襖が増えるようなイメージです。年間通して安定しているのは障子でしょうか? 冬になると障子も増えますけどね。
現時点での課題がなにかあれば教えてください
売上を伸ばすことは当然の課題ですが、もう少しリフォームのお仕事をいただけるように頑張って行きたいと思っています。畳などもやっていきたいですね。
あと、今までやっていなかったクレジットカード対応なども来月から始めますが、そういう細かい課題をひとつひとつ潰していっているところです。それはもう準備していて、それも今度のチラシから記載しようと思っています。クレジットカードは、店側にとって現金より負担がありますが、ポイントを貯めるとかでお客様のメリットになることもあります。クレジットカードが使えるからという理由でお客様が増えるんだったら、良いと思っています。
その他では、インターネットでの集客なども取り組みたいですね。
襖・障子・網戸の今後のビジネスについてはどうお考えですか?
網戸は、大体の家にあると思うので減る事はないとは思います。今新しく建つ家は和室が少ないと言ってはいるものの、襖や障子も無くなるわけではないと思います。常に和室はあるのでしょうし。
張り替えたいという人は、常日頃いますし、極端に家自体が減るとも思えないですし。いまはマンションにだって和室もありますから。30年前とは違って、戸建てばかりではなくて田んぼの真ん中にマンションが建つような時代です。だから、家の戸数が減るとは思えなくて……なので、減っていくという感触は無いですね。
今後の目標を教えてください。
さきほどと同じ話になってしまうかもしれませんが、短期的な目標は、新規・リピーター両方のお客様を増やしていきながら、リフォームの方も仕事の幅を増やして、多くの事に対応できるようにしていきたいと思っています。今以上に多くの内容ですね。
5~10年後には、きちんとした店舗を構えたいかな。そして、「金沢屋 守山店」の名前を、地域にもっと根付かせていきたいです。
もっと遠い話になると、たとえば60歳を過ぎても、もちろん体力の続く限りこの仕事をやっていたいとは思っています。その時には、会社組織になっているとか、後継ぎ……というほどでもないですが、人を雇っているかもしれませんね。
最後に。金沢屋に加盟してよかったですか?
はい。いろいろなお客様とお話も出来ますし、現場でも楽しくやれています。夜、帰って来てから作業するのには、グタッとしてしまうときはありますけど(笑) でも、お客様と接したり、出来上がったものをご覧になって喜んで頂けるのが嬉しいですね。
それ以外では、勤めているときと比べると、自分で時間のコントロールが出来るようになったのは大きいです。仕事と仕事の間に自分の用事を済ませることもできますしね。細かいんですけど、勤めていると、耳鼻科や歯医者行きたいけど行けないことがあるじゃないですか。そういう点も、自分でコントロールできるようになったのはとても良かったですね。